全く観測所帰りは
磯嵐中将は過去香取鎮守府に所属し、銚子観測所から転属してきた。磯嵐がこちらにいたと言っても10年以上前の話で現在とは、事務の進め方も大きくことなる。基本以前のやり方しか理解していない磯嵐は、万年に確認を求めた。しかしながらすでに転属して4ヶ月以上がたち、同様の業務についてはすでに何度も見ているはずなのだが。万年は「全くなんにもわかっちゃいねえ、昔は昔、今は今だろう。全くバカだとしか思えん」と思いながら、ひととおりの説明をする。「わかった、ありがとう。」との言葉を残し、磯風中将は去っていった。「毎回確認しなくてはわからないとは、いったい何のために頭がついとるのか?」そう思わずにはいられない万年であった。